今回も、普及啓発の手法について書いていきます!
世の中にはさまざまな企画がありますが、その中には「あるテーマをより多くの人に伝えたい」「社会をよくするために、周りの人を巻き込みながら行動していきたい」といった想いから生まれているものも少なくありません。
企画を作る上で大切なのは、誰をターゲットに、どんな目的で実施するのかを明確にすることです。ただ、それと同時に、その目的をきちんとターゲットに届けるために「どんな手法を使うのか」を考えることも、とても重要になってきます。
普及啓発手法の3回目となる今回は、「企画にあったメディアの活用」について紹介します。
1. さまざまなメディア
私(エコ・リーグ篠原)が初めて環境活動を始めたのは2006年頃でした。当時、活動を伝える方法としては、身近な友人に声をかけて口コミで誘ってみたり、地域の方に向けてチラシを配ったりといった方法が中心でした。規模が少し大きくなると、テレビ・新聞・ラジオなどのマスメディアを活用することもありましたし、インターネットではホームページを整備して活動紹介をしていた記憶があります。
そこから20年近くが経ち、今ではSNSを活用した情報発信が当たり前になりました。2006年当時もSNSは存在していましたが、どちらかというと仲間同士のコミュニケーションが中心で、たくさんの人に向けて情報を届ける使い方は、まだ一般的ではなかったように思います。その後、SNSの種類も増え、活用の仕方もどんどん多様になってきました。
このように、情報を伝えるためのメディアは時代とともに増え、選択肢も広がっています。自分たちの活動をより伝えやすくするためには、数あるメディアの中から「どれが一番合っているのか」を考え、取捨選択していくことが大切です。
2. メディアを活用する前に
「よし、メディアを使って発信しよう!」と思う前に、まずは今回の企画がどんな内容なのかを、改めて整理してみましょう。
まず大事なのが、企画のターゲットです。
ターゲットがどんな人なのかによって、使うべきメディアは大きく変わってきます。たとえば、普段あまりインターネットを見ない人に向けて、ホームページやSNSを中心に発信しても、なかなか情報は届きませんし、テレビを持っていない人にテレビ広告を出しても見てもらえません。少し極端な例ではありますが、「誰に伝えたいのか」「その人は普段どんなメディアに触れているのか」を考えておくことは、とても重要です。
もうひとつは、企画の人数規模です。
どのくらいの人数を想定しているのかによっても、適したメディアは変わってきます。たくさんの人を集めたいのに、1人で口コミだけに頼るのは限界がありますし、逆に少人数の企画なのにテレビCMを打てば、必要以上にお金がかかってしまいます。まずは「どのくらいの規模感で実施したいのか」を一度確認してみてください。
3. 企画にあったメディアの活用
ここからは、企画内容に合わせたメディアの活用について紹介します。今回は、あくまで広く浅くの紹介になります。
①口コミ
そもそもメディアとは「情報を伝達するための手段や媒体」を指します。そう考えると、口コミも立派な情報伝達手段のひとつだと言えます。
口コミは、大人数を集めるという点では効率が良い方法とは言えないかもしれません。ただ、ある程度の人数規模で、SNSなどの情報に慣れていない人や、「人から直接話を聞いて判断したい」という人を対象にする場合には、とても相性の良い手法です。特に、身近な友人に参加してほしい場合は、自分の想いを直接伝えられるという点で、非常に効果的な方法になります。
②SNS
SNSと一口に言っても、X、note、Instagram、YouTube…。どんどん新しいものも出てきており、新しいものも次々と登場しています。活用方法についても、書籍やセミナーなどで多く紹介されています。
ここでは個別のSNSについて詳しく触れることはしませんが、それぞれの特徴をしっかり理解することが大切です。たとえば、画像を使って伝えたいならInstagram、短い文章でテンポよく伝えたいならX、といったように、SNSの特性と企画内容を照らし合わせて選んでみてください。今、自分が使い慣れているSNSをそのまま使うのは楽ですが、ターゲットと合っていない場合は、十分な効果が出ないこともあります。一度立ち止まって見直してみるのもおすすめです。
③テレビ・新聞等(マスメディア)
インターネットだけでなく、テレビや新聞といったマスメディアは、今でも多くの人に一斉に情報を届けられる力を持っています。特に、これまで接点のなかった層に活動を知ってもらいたい場合には、有力な選択肢になり得ます。
とはいえ、いきなりテレビに出る、新聞に載るというのは簡単ではありません。そこでひとつの方法として考えられるのが「プレスリリース」です。プレスリリースとは、企業やNPO、学生団体などがメディア向けに、活動内容や一次情報、画像・動画素材などをまとめて発表する資料のことです。少し堅い印象を持つかもしれませんが、所定の手続きを踏めば誰でも出すことができます。
前回紹介した国際会議でのキャンペーン活動でも、活動内容についてプレスリリースを出し、メディアの方に取材してもらい、新聞記事として掲載された事例があります。「たくさんの人に伝えたい」という想いがある場合には、プレスリリースもひとつの手段として考えてみてはいかがでしょうか。

今回は、企画にあったメディアの活用について紹介しました。
多種多様な手段があるからこそ、「誰に伝えたいのか」「どのくらいの規模で届けたいのか」を整理しながら、自分の企画に合ったメディアを選んでみてください。
※この記事は、一般社団法人NatureLit JapanとNPO法人エコ・リーグとの共同著作物です。

