前回までは3回に分けて、企画の作り方をざっくり紹介しました。
でも、「頭ではわかった気がするけど、具体的にはどう進めたらいいの?」という方も多いはず…!
そこで今回は、プラスチック汚染条約が先日開催されていたことも受け、テーマを「海洋プラスチック」に絞って、企画作りのステップを一緒に考えてみましょう。
参考:プラスチック汚染に関する法的拘束力のある国際文書(条約)の策定に向けた第5回政府間交渉委員会再開会合の結果概要(環境省)
1.企画を立ち上げる理由や必要性を考えてみよう
やってみたい・ニーズがある・できるを念頭に考えてみよう
企画を作るときに大事なのは「やってみたい・ニーズがある・できる」の3つ。前回はこの3つを紹介しましたが、今回は「ニーズがある」にフォーカスしてみます。
現在、大量のプラスチックごみが海に流出し海洋汚染を引き起こしています。海洋プラスチック問題は、今やとても深刻です。
海に流れたプラスチックは自然に分解されにくく、海の生き物が間違って食べてしまったり、細かく砕けたもの(マイクロプラスチックと呼ばれます)を食べた魚などを私たちが食べた場合、私たちの健康にも影響する可能性があります。
このように多くの人や生き物に影響がある問題だからこそ、「何とかしたい」というニーズが生まれるわけです。
2.企画テーマを決めてみよう
1で考えた必要性を踏まえ、具体的なテーマを決めよう
海洋プラスチックは広い範囲で起きている問題です。
そのため、「海洋プラスチックをなくそう!」とだけ決めても、具体的にどう手をつけたらいいかわかりません。そこで、具体性を高めるために、テーマを絞ってみましょう。
例えば、
- 場所:どの海岸や地域にフォーカスするか
- ごみの種類:ペットボトル、レジ袋など
- ごみの漂流元:どこから流れてきているのか
などを決めると具体性が増します。
例として、「●●市の▲▲海岸では他地域よりプラスチックが多く見られる」といった情報があれば、そこをターゲットにテーマを設定できます。
3.情報収集のコツ
T型で収集しよう
テーマが決まったら、まずは情報収集。
海洋プラスチックに関する情報収集をする場合、どうやるのがよいでしょうか?
海洋プラスチックについてネットで検索するだけでも、基本的な知識は十分手に入ります。
でも、より広い視点で企画を考えたいときは、下記のように収集の幅を広げてみましょう。
- 分野:対象地域、海以外のプラスチック問題、海の生き物
- 媒体:ネットだけでなく、書籍・学会誌・専門家へのヒアリング・展示会の参加
ただし、闇雲に調べると大変なので、「プラスチックを主軸に海洋以外ではどのような問題があるのか」「海を軸にプラスチック以外のことを調べる」といった切り口を意識すると効率的です。
4.企画の目的を決めてみよう
「あるべき姿」と「現状」のギャップを見つけよう
次は「あるべき姿」と「現状」のギャップを見つけるステップです。
例えば、「▲▲海岸の海洋プラスチックをなくす」というテーマの場合、
- あるべき姿:海岸のプラスチックがゼロ
- 現状:年間●●トンのプラスチックがある
こうしたギャップをどう埋めるかを考えます。
方法としては、
- 海岸に流れ着くプラスチックを減らす
- 流れてくる元の地域でのプラスチック使用を減らす
などが考えられます。
「考えた案があるべき姿につながるか」を意識しながら設定してみてください。
5.手法を決めてみよう
「様々な視点からの手法案出し」と「目的との照らし合わせ」を心がけよう
いよいよ目的を達成するための手法決めとなります。
ポイントは、以下の2つです。
- いろんな視点からアイデアを出す
- 目的と照らし合わせる
手法をたくさん考えていると、時間が経つにつれ、良い案が浮か場なくなってきます。
ですが、必死に案を考えることで良く練られたものが出てくる可能性も高まります。質の高い案を考えるためにもまずは物量で案を考えてみましょう。
つまり、量を出してから質を磨くイメージです。
例えば、最近見かけた案のひとつに「ごみを効率的に自動回収する装置の開発」がありました。経済的なメリットが薄い等の課題もあるようですが、少ない人員で効率的に回収できる点は魅力的ですよね。
おわりに
今回は海洋プラスチックをテーマに企画作りのステップを紹介しました。あくまで一例ですが、ぜひ自分なりのアイデアを取り入れて、オリジナル企画を作ってみてください。
企画作りのスケールは、小さくても構いません!まず一歩を踏み出すことが、企画を形にする最大のコツです。
※過去記事で紹介した「環境アクションの企画づくり入門:はじめの一歩を踏み出すには?」も参考にするとより理解が深まります。
▼環境アクションの企画づくり入門:はじめの一歩を踏み出すには?【連載①】
※この記事は、一般社団法人NatureLit JapanとNPO法人エコ・リーグとの共同著作物です。
※2025年8月23日にnoteに公開した「環境活動企画の作り方~海洋プラスチック編~」の転記です。



