「やりたいことは見つかった。でも、それをどう形にすればいいの?」
そんな疑問を抱いている方に向けて、自分のアイディアや想いを形にするステップを丁寧に紹介する本連載。第2回となる今回は、「企画の目的の立て方」「手法の考え方」「見直しの仕方」の3つをお届けします。
この回を読めば、自分の企画が少しずつ“現実味のあるプラン”に近づいていくはず。ぜひ一緒に進めていきましょう。
※ここで紹介するのは一例です。「こんな考え方もあるんだ」くらいの気持ちで、気軽に読んでもらえたら嬉しいです。
4.企画目的の立て方:「あるべき姿」と「いまの現状」のギャップを見つける
企画の目的とは、「この活動を通じて、どんな変化を起こしたいか」というゴールのこと。
ここがあいまいだと、企画そのものがぼやけてしまいがちです。
そこで大事になるのが、「理想の未来(あるべき姿)」と「現状」のギャップに注目すること。
たとえば、「〇〇市の気候変動対策」をテーマにしたい場合、
- あるべき姿:気温上昇を1.5℃未満に抑えられている
- 現状:将来的に2〜4℃上昇する可能性がある
このギャップを埋めるための小さな一歩を考えることが、企画の目的につながります。今回の「あるべき姿」と「現状」から考えると、「〇〇市の気温上昇を1度に抑える」が今回の企画の目的になります。
この考え方は「バックキャスティング(未来からの逆算思考)」と呼ばれるもので、環境分野でもよく使われています。気になる方はぜひ調べてみてくださいね。
5.手法の考え方:「いろんな視点から手法を出して」「目的とズレていないか確認」
目的が決まったら、「じゃあ、どうやってそれを実現するか?」を考えるステップへ。
この時に大切なのが、自分の得意・不得意にとらわれすぎず、いろ色な手法を思いつくだけあげてみること。良いか悪いか、できるかできないかは、後から考えれば良いので、ひとまず思いつく手法を全部書き出してみましょう。
たとえば、
・イベント開催
・SNSでの発信
・学校との連携
・ワークショップ形式
・クイズ企画 など
思いつく限りの手法を出してみて、その中から目的に合うものを選んでみましょう。
ブレインストーミングを使ってチームで考えるのもおすすめです。
そして手法を出し切った最後に、「この手法は本当に目的達成につながるのか?」と確認してみてください。
目的と手法が合っていると、企画の精度はぐっと高まります。
6.企画の見直し方:1人で考えず、誰かに見てもらおう!
企画がある程度まとまってきたら、ぜひ他の人に見てもらいましょう。
特に、「この企画の対象になる人」に感想をもらえたら最高です。
・目的の達成ができそうか?
・ちゃんと伝わるか?
・面白いと感じてもらえるか?
・やりたくなる企画か?
こうした感想をヒアリングすることで、自分では気づけなかった視点や改善点が見えてきます。
「完成させてからじゃないと見せられない…」と思いがちですが、むしろ未完成の時ほど、意見はもらいやすく、柔軟に修正もできます。
第三者に一度見てもらって、意見をもらうこと。これが、良い企画への近道です。
今回は、企画を「具体化する」ためのステップをお伝えしました。
次回(連載③)では、実施とその後のふりかえりについて紹介します。ぜひそちらもチェックしてみてくださいね。
※この記事は、一般社団法人NatureLit JapanとNPO法人エコ・リーグとの共同著作物です。
※2025年6月29日にnoteに公開した「環境アクションの企画づくり入門:目的を見つけて形にしよう【連載②】」の転記です。
