「こんな活動やってみたいけど、どうやって形にすればいいんだろう?」
そんな風に思ったことはありませんか?
今回の連載では、「環境活動を形にして動き出してみたい人」に向けて、企画の立ち上げから実施までの基本的な流れを3回に分けて紹介します。
今回はその第1回。企画の“はじめの一歩”である「テーマの見つけ方」と「情報の集め方」についてお話しします。
※ここで紹介するのは一例です。「こんな考え方もあるんだ」くらいの気持ちで、気軽に読んでもらえたら嬉しいです。
0:そもそも「企画」ってなに?
辞書的には「ある事を行うために計画を立てること」。
もっと気軽に捉えれば、「やってみたいことに向けて一歩踏み出す計画を立てること」だと言えます。
たとえば、「節電するための方法を考える」といった小規模なものから、「生物多様性の損失につながる大規模開発をなくす手法を立案する」といった大規模なものまで様々です。もう少し身近な例を出すと「エコな暮らしを紹介するSNSアカウントを立ち上げたい」も企画ですし、「地域の川をきれいにする清掃イベントを開きたい」も立派な企画です。
この連載では、特に「自分以外の人も巻き込むような環境企画」のつくり方を紹介していきます。社会の役に立つアイデアを、現実のアクションに変えていく第一歩として、いろいろな場面で使えますので、ぜひ気軽に読んでみてくださいね。
1. 企画を立ち上げる理由:「やってみたい・ニーズがある・できそう」の3つが揃っているか?
企画を立ち上げるときに意識したい3つのポイントがあります。
ポイント1:やってみたい
自分が「面白そう」「やってみたい」と思えることかどうか。情熱や好奇心があることなら、途中でつまづいても続けやすくなります。「やる気」は大切な要素の1つです。
ポイント2:ニーズがある
社会や周囲の人たちのニーズに合っているかどうかも大切です。せっかくの企画も、誰の役にも立たなければ続かないですし、効果も期待できなくなってしまいます。
ポイント3: できそう
実現できる見込みがあるかもチェックポイントです。今の自分にできるかどうか、誰かと組めばできそうか、少し調べてみるのもおすすめです。
たとえば、Aという地域で有名な野菜を日本一の生産量にしたい!と思っても、A地域に農家や知り合い等がいなければ始めることそのものが難しくなってしまいます。そのため、その地域の状況や関係者、既存の取り組みをまず調べてみましょう。もし難しそうでも、小さく始める方法はきっとあります。
2. テーマを決めるコツ:具体的にすればするほど、企画は動き出す
テーマは「具体的」であるほど、企画として形にしやすくなります。
たとえば「ごみ問題」とだけ聞くと、どこから始めていいか分からないかもしれません。
でも「地域の海岸に漂着するマイクロプラスチック」や「学園祭で出る紙コップのごみを減らす」といった具合に絞り込むと、やるべきこと・調べるべきこと・巻き込むべき人がぐっと明確になります。
「大きなテーマから小さな一歩に落とし込む」。これが、実現に近づくための第一歩です。
3. テーマに関する情報収集のヒント:深さ+幅のある情報をT型で集めよう
「T型人材」という言葉、聞いたことがありますか?
ある分野に深い専門性(縦棒)を持ちながら、他分野にも広く知見がある(横棒)人のことです。
企画づくりをする上での情報収集にもこのT型の発想が役立ちます。
縦の情報:自分のテーマに関する基本的な知識、事例、現状など
横の情報:他分野での取り組み、似たような事例、異なる視点など
たとえば「給食の食べ残しを減らす」ことに取り組む場合でも、教育・栄養・地域コミュニティ・自治体施策など、さまざまな切り口があるかもしれません。
自分のテーマに深く潜ると同時に、ちょっとだけ横に視野を広げてみる。これが、企画のアイデアを膨らませるコツです。
次回(連載②)では、
「企画の目的の決め方」「実施の手法」「企画の見直し方」について紹介する予定です。
自分のアイデアを“誰かと一緒にできるかたち”にしていくために、ぜひ続けて読んでみてくださいね!
※この記事は、一般社団法人NatureLit JapanとNPO法人エコ・リーグとの共同著作物です。
※2025年6月22日にnoteに公開した「環境アクションの企画づくり入門:はじめの一歩を踏み出すには?【連載①】」の転記です。
